カーライル、ティッセンクルップの海洋部門の入札プロセスから撤退

クリストフ・シュタイツ22 10月 2024
© penofoto / Adobe Stock
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ドイツの民間投資会社カーライルは、経営難に陥った複合企業ティッセンクルップの軍艦部門の入札プロセスから撤退したと、同企業は火曜日に発表した。

カーライルがティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)買収の交渉から撤退したことは、チェコの億万長者ダニエル・クレティンスキー氏との50:50の鉄鋼合弁事業計画も含むティッセンクルップの再編計画にとって大きな打撃となる。

「投資会社カーライル・グループが、ティッセンクルップの海洋部門への投資入札プロセスから撤退すると当社に通知したことは確認できる」とティッセンクルップは電子メールによる質問に回答した。

このニュースを受けてティッセンクルップの株価は3.7%下落した。

同社はカーライルが撤退した理由については明らかにしなかったが、今後は潜水艦やフリゲート艦を建造する同部門のスピンオフに注力すると付け加えたが、産業提携については引き続きオープンである。

カーライルはコメントを控えた。

ドイツ経済省は、海洋事業の将来についてティッセンクルップと協議中であると述べたが、それ以上の詳細については明らかにしなかった。

関係筋は6月、カーライルと国営金融会社KfWがTKMSの過半数株式の共同買収について協議中であり、当時のTKMSの企業価値は約16億ユーロ(17億3000万ドル)と評価されていたとロイターに語った。

ティッセンクルップのミゲル・ロペス最高経営責任者(CEO)は8月、TKMSを買収企業連合に売却するか、スピンオフ会社を通じて売却する取り組みが「今後数カ月」で成功すると確信しているとアナリストらに語った。

自動車部品の製造や大規模な資材取引事業も手掛けるティッセンクルップは、TKMSへの参加の可能性について政府と引き続き協議中だと述べた。TKMSの9カ月間の営業利益(EBIT)は7400万ユーロで、前年同期比で3分の2以上増加した。

ティッセンクルップは「海軍部門は独立して運営することで、業界の世界的な成長機会を最大限に生かせると確信している」と述べた。

「さらに、独立は国家および欧州の統合に向けた良い出発点となるだろう。」


(1ドル=0.9248ユーロ)

(ロイター通信 - クリストフ・シュタイツ記者、ジョー・メイソン、マデリン・チェンバース、トマシュ・ヤノフスキー、デビッド・グッドマン記者による編集)

カテゴリー: 合併と買収, 海軍, 造船