米連邦地裁は金曜日、3月にボルチモアのフランシス・スコット・キー橋に衝突し6人が死亡した船舶を所有・運航していた企業による1億200万ドルの和解を承認した。
米連邦地方裁判所のジェームズ・ブレダー判事が承認したこの支払いにより、司法省が9月にシンガポール企業2社、グレース・オーシャン・プライベート・リミテッドとシナジー・マリン・プライベート・リミテッドに対して1億300万ドルの支払いを求める民事訴訟を起こした後、米国政府の請求は解決した。
両社の広報担当者は金曜日、責任を否定しているものの、支払いに同意したと述べた。また、両社は和解費用に対して十分な保険をかけており、懲罰的損害賠償は課されていないとも述べた。
この和解金は、米国政府が災害対応と、6月に水路を再開できるようボルチモア港からダリ号の残骸と橋の残骸を撤去するために費やした費用をカバーするものである。
メリーランド州は橋の再建に17億ドルから19億ドルの費用がかかると見積もっており、2028年秋の完成を見込んでいるが、橋の建設費、清掃作業費、環境問題、その他の費用について各社に対し個別に請求を起こした。
海運会社は、犠牲者の遺族、港湾閉鎖の影響を受けた労働者、ボルチモア市と郡、保険会社、公共事業体などからの追加請求に直面しており、広報担当者はこれに対抗すると述べた。
「連邦政府の主張は、通常の責任制限の枠組みから外れており、他の主張とは大きく異なる特異なものである点を強調することが重要である」と広報担当者は述べ、両社は「自分たちにこの事件の責任がないことを立証するために、積極的に自らを弁護する用意がある」と付け加えた。
国家運輸安全委員会は5月、ダリ号がパタプスコ川の橋に衝突する前に、数回にわたって電源を失ったと発表した。FBIは4月にこの事故に関する刑事捜査を開始した。
(ロイター - デビッド・シェパードソン記者、ジョナサン・オーティス記者、エミリア・シトール・マタリーゼ記者による編集)