マレーシア海事局の地域責任者ロムリ・ムスタファ氏は記者団に対し、木曜日の船舶の沈没以来、少なくとも21人の遺体が発見されており、うち12人はマレーシア、9人は隣国タイで見つかったと語った。
救命胴衣がなければ、多くの人が24時間生き延びることさえ難しいかもしれないが、中には浮いている物につかまっている人もいるかもしれないので、捜索活動は継続されるだろうと彼は付け加えた。
「天候はあまり良くありませんが、とにかく最善を尽くしています」とロムリ氏は述べた。これまでに13人の生存者が救助されたと付け加えた。
仏教徒が多数を占めるミャンマーで長らく迫害されてきた、イスラム教徒が中心のロヒンギャ族は、戦争で荒廃した祖国での暴力の激化と、130万人が暮らす隣国バングラデシュの混雑した難民キャンプでの状況悪化に直面している。
捜索活動の中心地であるマレーシア北部ランカウイ島の警察署長カイルル・アズハル・ヌルディン氏によれば、ロヒンギャ族数百人が2週間前にマレーシア行きの船に乗り込み、木曜日に2隻の船に移されたという。
マレーシア当局によると、乗客約70人を乗せた小型船は同日、ランカウイ沖で沈没し、乗客230人を乗せたもう1隻の船の消息は依然として不明だという。
「彼は誰にも言わずに去った」
モハメド・イブラヒム氏の兄であるモハメド・ユヌス氏によると、2週間前に船でマレーシアへ渡った人の中には29歳のモハメド・イブラヒム氏もいたという。
「彼は誰にも言わずにマレーシアへ出発した」と、彼はバングラデシュの難民キャンプからロイター通信に語った。
「もし知っていたら、絶対に彼を手放さなかったでしょう。彼には妻と3人の子供がいます。3歳の息子と10ヶ月の双子の女の子です。誰が彼らの面倒を見るのでしょうか?」
10月最後の週に、ロヒンギャ族を乗せた複数の船がバングラデシュのコックスバザールを出港したと、航海を追跡している非営利団体アラカン・プロジェクトのディレクター、クリス・レワ氏は述べた。
レワ氏はロイター通信に対し、マレーシア領海に到達するまでには通常1週間から10日かかると述べた。また、内戦により避難生活が悪化しているラカイン州内陸部から来るロヒンギャ族を救助するため、ボートがミャンマー沖に寄港した可能性もあると付け加えた。
国連難民高等弁務官事務所のデータによると、今年1月から11月初めまでに5,100人以上のロヒンギャ族がボートに乗ってミャンマーとバングラデシュから脱出し、そのうち約600人が死亡または行方不明になっていると報告されている。
イスラム教徒が多数を占めるマレーシアは、難民認定はしていないものの、迫害から逃れるロヒンギャ族にとって長年人気の渡航先となっている。近年、不法移民の取り締まりの一環として、船舶の入港を拒否し、ロヒンギャ族を拘束している。
マレーシア警察は月曜日、救出された人々は移民法違反の疑いで捜査が進む間、拘留されていると発表した。
「人々は絶望している」
マレーシアの海洋当局者ロムリ氏は、タイとマレーシアは空と海に哨戒隊を派遣して捜索活動を行っており、その捜索活動は1週間続く可能性があると述べた。
同機関が受け取った情報によると、ロヒンギャ族が最初に乗った船は、広大な難民キャンプがあるバングラデシュのコックスバザールと隣接するラカイン州から出航したとのことだとロムリ氏は付け加えた。
タイ当局によると、タイでは、バングラデシュで発行された難民カードを2人の子供から回収し、彼らがコックスバザール難民キャンプで暮らすロヒンギャ族であることを確認したという。
ロヒンギャの中には、外国からの援助が縮小しているバングラデシュには将来が見えず、ミャンマーに帰国するのも怖すぎるため、危険な旅を敢行していると語る人もいる。
「人々は絶望している」とコックスバザールのロヒンギャ難民ナセル・カーンさんは語った。
「人々は戦闘で、飢えで死んでいます。だから、ここでゆっくりと死ぬより、海で死ぬ方が良いと考える人もいます。」
タイ・マレーシア国境付近でロヒンギャ族のボートが悲劇https://reut.rs/4hQUBYs
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ロヒンギャ難民の海上移動https://www.reuters.com/graphics/MALAYSIA-MYANMAR/CAPSIZE/znpnqbxjqvl/chart_eikon.jpg
(ロイター)