ベイジアンの乗組員が救助活動を語る

1 9月 2024
ベイジアン (ファイル写真: Perini Navi)
ベイジアン (ファイル写真: Perini Navi)

英国のIT界の大物マイク・リンチ氏と他の6人が死亡した事故の後、同氏のヨットの乗組員らは、シチリア島沖で嵐により船が沈没した時のことや、乗客の救助に尽力した様子について語った。

イタリアの通信社アンサが土曜日に報じたところによると、2週間前の惨事の夜に当直に当たっていたマシュー・グリフィス氏は、乗組員はベイジアン号の乗客を救うためにできる限りのことをしたと捜査官に語ったという。

グリフィス氏、船長のジェームズ・カットフィールド氏、および船舶技術者のティム・パーカー・イートン氏は、過失致死および船舶難破の疑いでイタリア当局の捜査対象となっている。捜査対象であることは有罪を意味するものではなく、正式な告訴が行われることを意味するわけでもない。

「風速が20ノット(時速23マイル/時速37キロ)になったとき、私は船長を起こした。彼は他の全員を起こすよう指示した」とグリフィス船長は語ったとANSA通信は伝えた。

「船が傾き、私たちは海に投げ出されました。その後、なんとか立ち上がって、できるだけ多くの人を救出しようとしました」と彼は付け加え、ベイジアン号がシチリア島の港ポルティチェッロ沖に停泊していた8月19日の早朝の出来事を説明した。

「私たちは(船の)壁の上を歩いていた。私たちは救える人を救った。カットフィールドさんは小さな女の子とその母親も救った」と彼は乗客のシャーロット・ゴルンスキーさんと1歳の娘に言及して語った。沈没事故の生存者は全部で15人だった。

カットフィールド被告は火曜日、検察官の尋問に対し黙秘権を行使し、同被告は「疲れ果てていた」ため、弁護側の主張をまとめるのにもっと時間が必要だと述べたと、同被告の弁護士は述べた。

イタリアの日刊紙コリエレ・デラ・セラが日曜に報じたところによると、カットフィールド容疑者はこれに先立ち、捜査官に対しグリフィス容疑者と同様の特徴を語っていたという。

同紙によると、カットフィールド氏は、ボートは45度傾き、しばらくその姿勢を保っていたが、その後突然完全に右に倒れたと述べた。

パーカー・イートン氏はこれまでこの捜査についてコメントしていなかった。日曜、コリエレ紙は同氏の発言を引用し、嵐が船を襲った際、エンジンルームに通じるドアとハッチを除いて、すべてのドアとハッチが閉まっていたと報じた。

そのドアは傾いた側とは反対側に位置していたため、沈没の原因にはならなかったと彼は述べた。

ラファエレ・カマラーノ検察官は先週、この船は「ダウンバースト」、つまり非常に強い下向きの風に見舞われた可能性が高いと述べた。

この沈没は海軍の専門家を困惑させている。彼らは、イタリアの高級ヨットメーカー、ペリーニ社が建造したベイジアンのような船は嵐に耐えられるはずであり、いずれにしてもこれほど早く沈没するはずはなかったと述べている。

パレルモ近郊のテルミニ・イメレーゼ市の検察当局は、沈没船がまだ海から引き揚げられていないため、捜査には時間がかかるだろうと述べた。


(ロイター - キース・ウィアー、ジュリオ・ピオヴァッカリ記者執筆、フランシス・ケリー記者編集)