リブラ・グループは、イノベーションと持続可能性を新たな成長の原動力として注力するため、数年にわたり100隻近くの船舶を20億ドル以上で売却した後、今週コンテナ輸送市場から撤退したと、同社の取締役会長が述べた。
コンテナ市場は10年近く前に最低値を記録したが、コンテナ船で運ばれる消費財の需要が急増したため、COVIDパンデミック中に過去最高値まで回復した。
米国に本社を置く民間企業リブラ・グループのジョージ・ロゴテティス会長は、2010年から2020年の間に数十隻の船舶を購入することで「海運史上最大の賭け」をしたと語った。
「非常に困難な時期だった。何年もの間、困難な時期が続いた」と、アテネで行われたポシドニア海運週間の合間に同氏はロイター通信に語った。
「これは、売却されたコンテナ船すべてに好条件で売却できるまたとない機会だと判断した」
ロゴテティス氏によると、子会社のロマー・シッピングが運航する船舶は2020年から2024年6月初旬にかけて売却され、同グループにはドライバルク船やタンカー船など約30隻の船舶が残ることになる。
「ロマーのコンテナ部門からの撤退は、10年にわたる戦略的資産運用の一環だ」とロマー・シッピングのニコラス・ジョーギウ最高経営責任者(CEO)は語った。
同氏は、ロマー社は過去3年間にわたりばら積み貨物船やタンカーへの投資を通じて、コンテナ輸送事業からの撤退の基盤を築いてきたと述べた。
「ロマーは常に容易にセクターを転換することができた。当社の戦略はこれまでも、そしてこれからも、事業の多様化であり、これはリブラ・グループの全社が共有する価値観だ」とジョルジウ氏はロイター通信に別途語った。
ロゴテティス家が支配するリブラは、約60カ国に資産と事業を展開する20の子会社を持ち、海運、航空宇宙、再生可能エネルギー、不動産、ホスピタリティ、多角的な産業で活動している。
ロゴテティス氏は、リブラは「持続可能性と革新に非常に重点を置いている」と述べた。昨年、ロマーは革新部門であるロマーラボを設立し、二酸化炭素回収装置、ロボット工学、取り外し可能な風力帆など、新しい適応型海洋技術を研究している。
(ロイター通信 - ジョナサン・ソール記者、トマシュ・ヤノフスキ記者による編集)