今週初めに英国のIT起業家マイク・リンチ氏と他の6人が死亡した事故は、乗組員による一連の「言葉では言い表せない、不合理なミス」が原因であると、ヨット製造会社のCEOが木曜日にロイター通信に語った。
英国船籍の全長56メートル(184フィート)のスーパーヨット「ベイジアン」号には、乗客12名と乗組員10名の計22名が乗船していたが、月曜日、シチリア島北部の沖合に停泊中、夜明け前の嵐に見舞われ、数分以内に転覆、沈没した。
「船は、言葉では言い表せないほどの不合理なミスを繰り返し、あり得ないことがその船で起こった。沈没したのは浸水のためだ。どこから浸水したのかは、捜査官が明らかにするだろう」とジョバンニ・コスタンティーノ氏はインタビューで語った。
コスタンティーノ氏は、2008年にベイジアンを建造したイタリアの高級ヨットメーカー、ペリーニ・ナビを含むイタリアン・シー・グループの舵を取っている。ベイジアンは2020年に最後に改修され、今回もペリーニ社によるものではない。
CEOは、月曜日よりもさらに厳しい天候下でもトラブルなく航行してきた16年間を考えると、設計や建設上のミスはあり得ないと主張した。
同氏は、船舶予報で発表されていた嵐に備えていなかったという「信じられないミス」についてベイジアン号の乗組員を非難した。「これは復讐すべきミスだ」と同氏は語った。
コスタンティーノ氏は、船が嵐に備えて錨を上げ、ドアやハッチを閉め、安定性を高めるために竜骨を下げるなどの措置を講じている間に、乗客を客室から呼び出して安全な場所に集合させるべきだったと述べた。
12人の乗客のうち6人が難破で死亡し、5人の遺体が船内で発見された。救急隊は、最後の行方不明者であるリンチの娘ハンナさんの遺体の捜索を続けている。
正しい手順が踏まれていれば、乗客は全員1時間後に再び眠りにつき、「翌朝には素晴らしいクルーズを幸せに再開していただろう」とコスタンティーノ氏は語った。
ベイジアン号の近くに停泊していた別のヨットは無傷で難を逃れた。沈没したヨットの船長と他の乗組員はこの惨事について公にコメントしていないが、この事件を捜査しているイタリアの検察は土曜日に記者会見を開く予定である。
(ロイター - マッテオ・ネグリ記者、アルヴィーゼ・アルメリーニ記者、リチャード・チャン記者による編集)