英国のIT王マイク・リンチ氏が酸素不足により窒息死したと捜査関係者が明らかにした。同氏の遺体は先月シチリア島沖で沈没した家族のヨットから回収され、土曜日に行われた初期検査で明らかになった。
8月19日、パレルモ近郊のポルティチェッロ港沖で、英国船籍のスーパーヨット「ベイジアン」が急激かつ深刻な悪天候により沈没し、リンチさん、18歳の娘ハンナさん、乗船していたコック、および乗客4人が死亡した。
土曜日に行われたハンナ・リンチさんの遺体の検査の初期結果は決定的なものではなかったと関係者はロイター通信に語り、死因として外傷や負傷は否定されたものの、酸素不足か溺死の可能性は残っていると述べた。
パレルモ消防隊の責任者は先月、コックを除く乗客らの遺体は全長56メートル(184フィート)の船の左側の船室で発見されたと述べ、閉じ込められた乗客らはそこに残った空気の泡を探していた可能性があると語った。
司法関係者が今週初めに明らかにしたところによると、他の犠牲者4人(モルガン・スタンレー・インターナショナル会長ジョナサン・ブルーマー氏、妻ジュディス氏、弁護士クリス・モルビロ氏、妻ネダ氏)の検死の予備的結果では、死因は窒息死である可能性が高いことが示された。
ベイジアン号を所有していた会社のリンチ氏の妻とヨットの船長を含む15人が生き残った。
捜査関係者は土曜日、カナダ系アンティグア人の船員シェフ、レカルド・トーマスの初期検査で溺死と判明したと述べた。
情報筋によると、犠牲者全員に対してさらなる法医学的検査が命じられており、今後数週間以内に結果が出る見込みだという。
この沈没は海軍専門家を困惑させている。彼らは、イタリア海上グループTISGR.MI傘下の高級ヨットメーカー、ペリーニが建造したベイジアンのような船は嵐に耐え、これほど早く沈没することはなかったはずだと述べている。
(ロイター通信 - ウラジミール・パンタレオーネ記者、エルビラ・ポリーナ記者執筆、ヴァレンティーナ・ザ記者編集)