ウクライナ大使館とロイターが入手した外交文書によると、ウクライナ当局は木曜日、盗まれたとされるウクライナ産穀物を積んだシリア国有貨物船のレバノン・トリポリ港への入港を禁止するようレバノンに要請した。
ウクライナ使節団はロイターへのコメントで、フィニキア号が黒海の港セヴァストポリから盗品とみられる6,000トンのトウモロコシを輸送していたと述べた。
レバノンの運輸、財務、経済の各省と税関総局に宛てたメモの中で、大使館はトウモロコシが「ザポリージャ、ムイコラーイウ、ヘルソン地域の保管施設から盗まれた」と述べた。
同船は「国際法に違反している」とし、レバノンが「盗まれたウクライナ産穀物を販売するために前述の貨物船フィニキア号がレバノンの港に入港することを許可しない」との期待を表明した。
レバノンの運輸大臣と財務大臣はロイターのコメント要請にすぐには応じていない。シリア政府とフィニキア号を所有するシリア海運総局は書面による質問に直ちに回答しなかった。
レバノンの経済大臣は、正式な通知は受け取っていないが、大使館は過去に同様の通知を送ったことがあると述べた。
ロシア政府はこれまで、ウクライナの穀物を盗んだことを否定してきた。
MarineTraffic とトリポリ港の関係者によると、船はまだそこに停泊していなかった。
昨年、シリア船籍のラオデシア号が盗まれた小麦粉と大麦1万トンを積んでベイルートに入港した際、ウクライナは警報を鳴らした。レバノンは船を拿捕したが、最終的には出港を許可した。それはシリアに向けて出航した。
フィニキア号とラオデキア号はどちらもシリア海運総局が所有している。この当局とその所有する船舶は、シリア戦争における役割の疑いで、2015年から米国から制裁を受けている。
ウクライナは、2022年2月の侵攻以来、略奪されたウクライナ穀物と呼ばれるもののうち50万トンが2022年に複数の港から輸送されてシリアに到着したと推定している。
ウクライナ穀物の黒海への安全な輸出を許可する協定は7月に期限切れとなった。
(ロイター - マヤ・ゲベイリー記者、ジョナサン・オーティス編集)